11月10日(金)

朝起きる。猫ちゃんも妹ちゃんもいない今日。

なんとなあく寂しいからいろいろなことの意味というか、必然性というか、なぜ今ここにいるのかということばかり考えた、来年は実家に帰ろうかとか考えちゃう。寂しいけど仕方がない。私の気持ちなんか振り払い生活は続いていく。当たり前すぎることだった。こうやって気持ちが死にそう...ってなっても絶対にストップしない生活のことが魅力だと感じているのかもしれないなあ。魅せられていますね!マイッタ!

 

何日か自分の部屋を開けて帰って来たら、経堂のバイトでゴミ箱から救ったドラセナ?多分ドラセナ?の茎から根が生えそうだった。日に当ててあげる。

大きな音で好きな音楽を聴き、この景色に自分が馴染んでいくのをじっと待つ。動物が回復を待つ時ってじっと静かにそこにいるよね。人間はもはや動物じゃないんだろうけど、人間もやっぱり生き物だ。自分たちが到底敵いそうにないような動物たちと同じように息をして血が通っていること、日を浴びれば暖かいと思う、同じ仕組みがここにもひとつあることがわかる。地球の裏側から風に乗って、こういうことがやんわりとそれでもしっかりと体に染み付く。これだから生きていくことがやめられない。

 

昨日買ったよしもとばななの本をお昼のうちに読み終える。

よかった。いままで誰も勧めてくれなかった。よしもどばななまだ一冊しか読んだことないですけどよかったです。おすすめします。

 

 自分の部屋、というか、この部屋全部がちょっと大きくなりすぎている気がする。とにかく何も思い出さない部屋に移りたくなってしまった。今すぐそんなことは無理。だけど体が勝手に模様替えを始めていて、前と似たような配置にベッドを戻していた。青いほうの壁にベッドをぴったりくっつけ、変わったことといえば窓際に机を置いたことと、ほとんど使っていなかった小さい棚に居場所のない写真とか本とかを置いてあげたくらいだけど。前と同じような配置にしたら前のこと思い出すんじゃないかとヒヤヒヤしながら大体の模様替えを終える。

案外たまったほこり、こんなのどこからくるんだろう。外に出ればわかることもたくさんあるけど、家の中で世界がわかる時もある。無理して外に出るよりのこの家の中いっぱいに思いを泳がせることだって世界だ。

そんなことは言っても家の中にいるのは飽きちゃうので散歩にでる。犬っころたちの散歩の時間だったようで、やたらわんこに絡まれる散歩道だった。途中ロングボードに乗ったおじいちゃんがすーっと横を通って行く。おじいちゃんかっこいい。わたしもスケートボードスイスイ乗れるおばあちゃんになりたい。

柴崎から京王多摩川まで大きな多摩川沿いを歩く。夕日とグラデーションになっている空の青い部分が川に映って川が青いのが不思議だった。夜が後ろからどんどん迫ってくる。目の先に見えるまだ少し赤い空の層を追いかけるように足が止まらなかった。暗くなって来て読売ランドの観覧車とジェットコースターが見える。ライトアップされている。キラキラして見えるのはきっとイルミネーション。ときどきそういう軽いながらも儚くて消えちゃいそうなものに触れたくなる。ただその電球を集めて足でバシバシ踏みつけたい。パリパリ割れる薄いガラスの音をケラケラ笑いながら聴きたい。公園の隅にたまった落ち葉のように。

他の人ってこんなにいろんなことを思い出しながら生きてる!?!!?!?これまずくない!!?!?!ってくらいいろんなことを思い出す。

下校中の高校生を見ればバッカみたいに甘ったるかったことを思い出し、小さい川のそばを通れば建て替える前のボロだった幼稚園の教室の匂いがして、園庭や穴だらけの教室の床、入園式の時のお父さんのかっこいいスーツ姿を思い出すし、過去の産物になって"今"からいなくなっちゃうような気分になる。

 

ちょっと疲れちゃったので京王多摩川から調布まで戻りミスタードーナッツで(なんと今日も!!!)休憩。

潔癖みたいなおじさんが狂ったようにマイアルコールでテーブルを拭いたり独り言を言ったりしていて、わたしが狂いそうだった。

 

すると、Mくんが近所に住んでいることが発覚する。ちょっと散歩でもしようということになり、ミスドを出て家の方に戻る。

Mくん金髪になっている。わたしのバイト先のカッフェを覗きご飯を食べる。金曜だけど空いていたのでおしゃべりごえがよく響いた。ちょっと恥ずかしいけど気持ちよかった。それからうちに来て、写真見たり本読んだり。だいぶ落ち着いたようで頑張って帰って行った。今度スケボーやろうねということになった。私は怪我が怖いし、ちょっと乗れればたのしそう〜くらいに思っているので、一通り乗れるようになったらカメラでも持って見ていることにしよう。オーリーしか知らないスケボーのこと。オーリーがどういう技なのかもあんまりわかってないけど。

ドラクエもスライムとはぐれメタルの剣しか知らない。スライムもはぐれメタルの剣もどういうものなのかわかっていない。

 

Mくん専門の時の友達なので、会えてよかった。専門学校の時のことをいろいろ思い出したかったのでグッドタイミングだった。卒業すると同級生から友達になる。近所に住んでいるから家が近い友達。小中学校の友達は今になるとほとんどいないも同然で、高校の時の友達はみんな高校の近くに住んでいたから近所に友達が住んでいたことがあまりない。自転車でちょっと行けば会えるとか、そういうのがすごく新鮮で嬉しい。ご近所さんはいつでも頼もしい。

 

今日も疲れている同居人を見て少し悲しくなる。

おやすみを言う気にもなれず、わざわざ部屋の戸を閉めて寝る。たくさん歩いたからか力尽きた。

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